ガラス入りPTFE

1.ガラス入りPTFEとは

ガラス入りPTFEは、ガラス(グラスファイバーまたはガラス微粉末)を充填材として含むポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の製品を指す用語です。このような製品は通常、ガラスファイバーやガラス微粉末をPTFE樹脂に混ぜ込むことで作られます。
これにより、PTFEの特性にさらなる強度が付与され、さまざまな工業製品で使用されます。

2.ガラス入りPTFEのメリットとデメリット

ガラス入りPTFEのメリットは以下のようなものがあります

高耐熱性:高温での使用が可能です。
強度向上:ガラスファイバーや微粉末の追加により、PTFEの強度が増加し、剛性が向上します。
低摩擦係数:PTFE自体が非常に滑りやすい特性を持っており、ガラスの充填材と組み合わせることで、低摩擦係数を維持しながら耐摩耗性を向上させることができます。
電気絶縁性:ガラス入りPTFEは電気絶縁材料として使用でき、電子部品や電気絶縁体の製造に適しています。

デメリットとして、ガラス繊維が水を吸ってしまうため、水中での使用はできません。また、アルカリおよびフッ酸に対する耐薬品性がPTFEと比較すると落ちます。

3.ガラス系PTFEの配合量の種類と特徴

ガラス繊維配合量
15% 20% 25%

特徴
・耐摩耗性良(Dry) 水中での摩耗は不向きである
・耐薬品性では酸、酸化剤に対しては強いがアルカリ、フッ酸には侵される

ガラス繊維 15%
二硫化モリブデン 5%

・ガラス単独に比べ、耐クリープ性、曲げ、圧縮強さ、耐摩耗が向上
・二硫化モリブデンに自己潤滑性があり、低摩擦である

ガラス繊維 20%
グラファイト 5%

・摩耗特性は「二硫化モリブデン入り」に劣るが、軟質相手材に 対しては優れている
・始動トルクが小さい
・腐食性雰囲気に耐える

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4.ガラス入りPTFEの用途

ガラス繊維

・バルブシート
・Vリング
・ガスケット
・パッキン
・酸素機器及び
・食品機器摺動材

ガラス繊維 二硫化モリブデン

・軸受け
・Vリング

ガラス繊維 グラファイト

・Vリング
・スライディングパッド

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5.まとめ

ガラス入りPTFEは、高性能ポリマーコンポジットとして、幅広い工業で利用されており、
その特性により耐熱、耐摩耗、耐薬品、電気絶縁性の要求がある環境で重要な役割を果たしています。