PTFE切削加工とは?PTFE切削加工の特徴、加工方法等について解説

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性、絶縁性等に優れているため、
さまざまな産業で利用されています。
PTFE切削加工はPTFEの素材を削って、特定の形状や用途に適した製品を加工する技術や方法を指します。
樹脂材料でよく使用される加工方法の中に射出成型がありますが
PTFEは融点が高く、一般的な熱可塑性プラスチックのように流動しません。
融点まで加熱すると液体状態にならず、ゲル状の物質になります。
そのため射出成形時の制御が困難になり成型ができません。
以上のことからPTFEは切削でしか加工できないため、高い需要があります。
PTFEはかなり高価な材料と思われている方もいるかと思いますが、
今回はPTFE切削の特徴や弊社に取り組みについて解説していきたいと思います。

1.PTFE切削加工の主な特徴

PTFE切削加工時は熱の影響を受けやすく、熱による膨張や冷却後の変形が発生
しやすい傾向があります。
PTFE切削加工の難易度は高く、熟練した技術を必要とします。
弊社ではPTFE切削加工時に特徴を考慮した取り組みをしております。次の項目でご紹介いたします。
一方でPTFE切削加工は金型を必要としないため、型を作るより低コストで製作することができ、
少ロットの加工に適していることも特徴として挙げられます。
切削加工用の材料も採用し易い価格帯で販売されております。

2.PTFE切削加工時の弊社の取り組み

弊社はそのPTFEの特徴を踏まえてPTFEの切削時に様々な工夫を取り入れております。
PTFEは温度による寸法変化が大きいため加工場所の室温を25℃±2で管理しております。
また加工前に自社で材料をアニール処理し、応力を取り除き寸法の安定を図っております。
弊社のPTFE切削加工は基本的にドライ加工で行われており、切削油等の後処理が簡易となります。
自社で刃物を製作しており市販の刃物で対応できない形状にも対応できるよう工夫しております。

3.PTFE切削加工の主な加工方法

3-1.旋盤加工
旋盤加工は機械に材料を固定し回転させ、バイトいう刃物を当てて削る方法です。
使用する材料は主に、丸棒とパイプ材になります。
PTFEは材料メーカーより切削加工用の丸棒やパイプ材のサイズ毎の規格品が販売
されておりますので主にそれらを購入して加工します。
旋盤加工は別ページでも紹介しておりますのでご参照ください

旋盤加工によるPTFE製品

3-2.フライス加工
切削工具を高速回転させ、材料に押し当て削る方法です。
使用する材料は板材が主になります。
板材についても材料メーカーから板厚毎の切削用材料が販売されて
おりますので、それらを購入して加工致します。
フライス加工は別ページでも紹介しておりますので参照ください。

フライス加工によるPTFE製品
(*旋盤工程も含んでおります)

また厳密には切削加工の分類ではありませんが、ウォータージェット加工でも
PTFEを加工することができます。ウォータージェット加工とは水の噴射で
PTFEの板素材を切断する加工になります。

4.まとめ

今回はPTFE切削加工の特徴や弊社の取り組みについて解説致しました。
PTFEは非常に優れた特性を持つ一方、切削加工時には工夫が必要になります。
弊社はPTFE切削加工の豊富な実績があります。
PTFE切削加工の御依頼、是非お待ちしております。