ウォータージェット加工とは、水の噴射を利用して材料を切断する加工方法です。
加工時に熱を発生させにくいことから、材料の性質に左右されにくく様々な材料に加工ができます。
ここでは、水を刃物のようにして加工することが特徴であるウォータージェット加工について解説します。
目次
1.ウォータージェット(ウォーターカッター)加工とは?
ウォータージェット加工とはウォーターカッター加工とも呼ばれる水の噴射を利用して材料を切断する加工方法です。
専用高圧ポンプで水を200〜600MPa程度に加圧し、0.1mm〜1mmという髪の毛ほどの細い穴から、
速度マッハ2〜3程度の高速水流を発生させて材料を切断します。
水流を調整すると切断以外にバリ取りやはくり、穴あけ、溝掘などの加工が可能です。
またウォータージェット加工は、多種多様な材料に対応できます。
0.1mmの薄い材料や300mmの厚い材料まで加工が可能です。
さらに、ごく少量の水で瞬間的に切断することから、本来、水との相性が悪い材質でも
その材質によってはウォータージェット加工との相性が良い場合もあります。
2.ウォータージェット加工の種類
ウォータージェット加工には、「アクアジェット加工」と「アグレッシブウォータージェット加工」があります。
切断する材料に合わせて、適した加工方法を用います。
2-1.アクアジェット加工
アクアジェット加工は、水だけを噴射させて材料を切断する加工方法です。
樹脂や木材、ウレタンなど比較的やわらかい材料の切断に適しています。
2-2.アグレッシブウォータージェット加工
噴射する水に研磨剤を混ぜて、材料を切断する加工方法です。
水だけを噴射するアクアジェット加工よりも切断能力が高く、
切削加工が難しいチタンやステンレス鋼、インコネルなどの難加工剤の切断も可能になります。
3.ウォータージェット加工の5つの特徴
ウォータージェット加工は熱影響が少なく、さまざまな材料に加工が可能です。
コスト面や環境へのやさしさにも優れるウォータージェット加工の特徴を5つご紹介します。
3-1.材料への熱影響が少ない
ウォータージェット加工は水を使用するため、切削加工やレーザー加工に比べて材料への熱影響があまりありません。
そのため熱による資材の変質が少なく、熱に弱い材料の加工も可能です。
また材料への加工応力が少なく、加工後の歪みや反りを最小限にすることができます。
材料によっては加熱すると化学反応が起き、有毒ガスが発生することもありますが、
熱を発生しないウォータージェット加工は有毒ガスの発生を抑えることができます。
3-2.さまざまな材料を加工できる
ウォータージェット加工はさまざまな材料を加工できます。
超合金のような硬い材料から、ゲルのようなやわらかい材料も切断可能です。